CSSJをお使いいただき、まことにありがとうございます。 CSSJは印刷を目的として作られたブラウザです。 Pure Javaアプリケーションであるため、Windows,Linuxはもちろん、FreeBSD,Solaris,AIXなど、 Javaバーチャルマシンが動作する環境があれば、Web上での帳票出力、マニュアルの作成などに、 すぐにお使いいただけます。 また、Javaはもちろんのこと、各種プログラミング言語とのインターフェースが用意されており、 ウェブアプリケーションと連携することができます。
CSSJは、CSSを始め、HTML,XMLといったオープンな標準に準拠しています。 普通のブラウザで表示できるHTML/CSSで書かれたページを、ほぼ同じレイアウトで印刷できる上、 高度な改ページ制御と、見出し、図、表への番号付けなど、便利な機能を利用することができます。
CSSJを使って印刷物をデザインするに当たって、CSSJ特有の知識を学ぶ必要はほとんどありません。 大抵の場合、今までウェブページを作成するために使っていたツールがそのまま利用できます。 また、JSP/PHPなどのテンプレート言語を利用することができます。
CSSJの開発者は、少なくとも印刷に関しては、普通のブラウザより一歩進んだ機能を提供することを目指しています。 CSSJを使ううちに、普段見慣れているはずのHTML/CSSで非常に多様な表現が可能なことに気づくことでしょう。 それらの経験を、CSSJだけでなく、ぜひ普段のウェブアプリケーション開発にも役立ててください。
CSSJには、対象者別に次の5つのマニュアルがあります。
利用者ガイドは、CSSJの基本的な使い方を説明したものです。 デザイナーガイドは、CSSJを使ってドキュメントや帳票をデザインする際の基本事項をまとめたものです。 開発者ガイドは、CSSJサーバーを利用したアプリケーションを開発するプログラマのための資料です。 管理者ガイドは、サーバー管理者がCSSJサーバーを運用するための資料です。 最後の資料集には、CSSJおよびCSSJサーバーの詳細な仕様がまとめられています。
マニュアルで説明されていることは、主にCSSJ特有の事柄です。 CSSJが準拠しているオープンな標準(CSS2.1,HTML,XML,XSLT,SVG)については、ウェブ上で公開されている仕様書や、 書籍などを参照してください。
CSSJは、手軽にお使いいただけるWindows向けのアプリケーションです。 ごく初歩的なブラウザとしての機能を持ち、簡単にウェブページをPDFに変換することができます。
この製品、他のアプリケーションと連携することができません。 商用利用も可能ですが、出力結果の末尾に「この文書はCSSJ(http://www.cssj.jp/)によって出力されました。」と表示されます。
有償版のCSSJサーバーは、他のアプリケーションと連携することができる、事業者向けの製品です。 Javaバーチャルマシンが動作する各種OSに対応しており、ウェブ上での帳票、ドキュメント出力のために十分な機能を持ちます。 また、各種プログラミング言語からネットワークを介してアクセスできるため、負荷分散が容易で、スケーラビリティの高いシステムです。
CSSJサーバーには、Java,Perl,PHPのためのインターフェースが用意されています。 それぞれのインターフェースは、各プログラミング言語の通常のウェブページ出力と同じ方法でPDFを出力できるように設計されているため、 普段のウェブ開発のノウハウをそのまま流用することができます。 また、Apache Antによるバッチ処理をサポートしているため、 ソフトウェア開発の現場で、ソフトウェアの自動ビルドシステムにCSSJによる文書出力をシームレスに組み込むことができます。
CSSJに含まれるPDF出力機能はCSSJサーバーにも含まれます。 CSSJサーバーをお使いの場合も、機能の概要を把握するために、一度利用者ガイドに目を通すことをお勧めします。
CSSJは、W3CのCSS Level 2 Revision 1勧告にほぼ準拠しており、 同じ標準をサポートするウェブブラウザと同等の文書を作成することができます。
一般のブラウザにはない特徴として、複数ページに渡る文書のデザインに特に重点を置いており、 CSS標準に従った改ページ制御機能の他、独自のページ番号付けや、複数ページに渡って表を分割する機能を備えています。
HTML+CSSという、普通のウェブサイトを作成するのと同様の方法で印刷用のドキュメントや帳票をデザインすることができます。 使用するツールは普通のHTMLエディタで構いません。 HTMLとCSSの関連は普通のブラウザ同様にlinkタグによって実現することができるほか、style属性によって文書中の各タグに直接記述することが可能です。
HTMLの見出し(h1〜h6タグ)タグはPDFのブックマークを生成するために利用でき、ハイパーリンクはPDFに反映されます (これはCSSJサーバーだけの機能です)。
また、CSSJサーバーを使うことで、PHP/JSPといったウェブアプリケーションを作成するための手法を、 そのまま動的なドキュメントや帳票を出力するために使うことができます。
XMLをレイアウトするために、XML+CSSという組み合わせをサポートしています。 これは単純なレイアウトの指定をするためのもので、より複雑なレイアウトの指定が必要な場合は後述するXSLTを用いることができます。
一般のブラウザ同様に、<?xml-stylesheet〜処理命令により、XSLTスタイルシートを指定することができます。 これによりXML文書をHTMLに変換できるほか、HTMLに対する事前処理を行うことができます。 例えば、文書の先頭に目次を生成することが可能になります。
CSSJは画像、浮動体ボックス、テーブルのセルをページをまたがって配置することができません。 従って、これらの要素がページより大きい場合、ページの領域をはみ出します。
JavaScriptおよびフレームに対応していません。 また、Flashなどのアクティブなコンテンツには対応していません。
Internet ExplorerのWebアーカイブ(.mhtファイル)には対応していません。
SVGのグラデーション塗り、半透明塗り、テキストの装飾には対応しておりません。
ここでは無料で配布されているCSSJのセットアップ方法を説明します。 CSSJサーバーのセットアップ方法は「管理者ガイド」を参照してください。
CSSJはWindows2000,WindowsXPおよびWindows SP3でテストされています。 実行にはJava実行環境(J2RE)バージョン1.4.1以降が必要ですが、 CSSJのインストーラを実行すると同時にインストールされます(既にシステムにJ2RE1.4.1以降が存在する場合はインストールしません)。
また、最低で80MBのディスクスペースを必要とし、 PentiumIII 533MHz以上のCPUと256MB以上のメモリを推奨します。
インストーラを起動し、画面の指示に従ってインストールしてください。 なお、アンインストールする際はコントロールパネルの「プログラムの追加と削除」 から行ってください。
ウェブページにアクセスして表示する方法はウェブブラウザと変わりません。 上部のテキストフィールドに表示したいページのアドレスを入力し、「表示」ボタンを押してください(またはリターンキーを押す)。 また、Internet ExplorerやNetscape、Firefoxを同時に使用している場合は、 ブラウザのアドレスバーからCSSJにドラッグ&ドロップすることでもページを表示できます。
ディスク上にあるHTMLファイルを表示する場合は、ファイルメニューの「ファイルを開く...」を選択してファイルを指定するか、 デスクトップからCSSJにファイルをドラッグ&ドロップしてください。
ウィンドウの最下部にある、三角形のアイコンをクリックすることで、ページを進めたり前に戻ることができます。 ページ番号を指定して表示するためには、メニューから「プレビュー」→「ページを指定...」を選択し、ページ番号を入力してリターンキーを押してください。
以下は、ツールバーに配置されている各アイコンについての説明です。
ディスク上にあるファイルを開くためのダイヤログを表示します。
表示中のページをPDFに変換してディスクに保存します。
表示中のページをプリンタで印刷します。
ページの表示、変換方法などを設定するための環境設定ダイアログを表示します。
表示またはPDFへの変換を中断します。
以下は、環境設定ダイアログの各項目の説明です。
ファイルの文字エンコーディング(HTTPヘッダあるいはmeta要素により指定されるもの)が不明な場合のエンコーディング方式を指定するものです。 自動判別では、シフトJIS、日本語EUC、JISのいずれかを自動的に判別します。 ユニコードは自動判別できませんので、ユニコードのファイルが文字化けする場合はUTF-8またはUTF-7を明示的に指定してください。
最初に読み込むスタイルシートを指定します。 例えば以下のようなスタイルシートを指定しておき、デフォルトのフォントや、背景を指定するために利用できます。
body {
font-family: sans-serif;
}
* {
background-color: white ! important;
color: black ! important;
}
XSLT/XMLに精通している方向けのオプションです。 通常は変更する必要はありません。
「HTMLの解釈」がチェックされている場合、HTML文書を一般のブラウザとなるべく近いようにレイアウトします。 「XSLT」がチェックされている場合、XSLTスタイルシートが利用可能になります。 「デフォルトの名前空間をXHTMLと解釈」がチェックされている場合、名前空間の不明な要素をXHTMLの名前空間に変換します。
ページの幅と高さです。単位はmm,cm,px,pt,pc,inが利用できます。 「高さを制限しない」をチェックすると、ページを分割せず、ページの高さを文書の内容に合わせます。
大きめの紙に印刷して裁断するためのガイドを表示するオプションです。
プレビューの際に文字のジャギーを消して滑らかにします。
プレビューの際にPDFと全く同じレイアウトで表示します。 ただし、フォントはPDFで表示する場合とは必ずしも一致しないため、表示が崩れる場合があります。 直接印刷する場合など、フォントに適したレイアウトにする場合はこのチェックを外してください。
<a>タグからハイパーリンクを生成します。 これにより、PDFで文書内リンクやWebへのリンクが可能になります。
「絶対URLに変換する」をチェックすると、ハイパーリンクが絶対URLに変換されてPDFに反映されます。
見出し要素(<h1>〜<h6>)を利用してブックマークを生成します。
「バイナリに圧縮する」を選択すると、生成されるPDFはバイナリとなり、サイズは小さくなります。 「テキストに圧縮する」では生成されるPDFはテキストとなりますが、圧縮率は若干悪くなります。 「圧縮しない」では画像以外の内容が圧縮されないので、PDFの中身がそのまま見えるようになります。
「基本フォント」を選択すると、生成されるPDFにはフォントが埋め込まれません。使用できるフォントは限られますが、出力されるPDFは小さくなります。 「外部フォント」では生成されるPDFにフォントのメトリックス情報(各文字の幅など)だけが埋め込まれます。出力されるPDFを表示・印刷する環境に使用するフォントがインストールされている必要があるので、不特定多数に配布する文書には不向きです。 「埋め込みフォント」では生成されるPDFにフォントを埋め込みます。ファイルは大きくなりますが、どのような環境でも同じようにPDFを表示・印刷できます。
JPEG画像をPDFに埋め込む場合の形式です。「生のデータを使う」場合、JPEGファイルの内容がそのままPDFに埋め込まれます。 「ピクセルマップに変換する」では、画像を一旦展開し、ピクセルマップ形式で埋め込みます。 前者の場合、JPEGファイルによってはPDFで正しく表示されないことがあります。後者の場合、若干サイズが大きくなります。
PDFの暗号化の有無、暗号化の強度です。
暗号化には、SSLでも使われ、PDFとも互換性のある暗号化方式であるArcfourが使われます。 パスワードを設定してPDF文書を暗号化すると、パスワードをしらない第三者に内容を知られるのを防ぐことができるため、 機密性の高い情報を電子メールなどでやりとりするのに適しています。 また、パスワードを設定しない場合も、不特定多数に配布する文書に対して印刷や内容のコピーの可否などを設定できるようになります。
40ビット暗号化は古いAcrobat Readerのためのものなので、特別な理由がない限り、より安全な128ビット暗号化を用いてください。
権限パスワードは、文書に対する全ての操作を可能にするパスワードです。 文書を開くパスワードは、閲覧者のためのパスワードで、後で説明する権限の設定による制約を受けます。 通常は権限パスワードと文書を開くパスワードにそれぞれ別のものを設定し、閲覧者には文書を開くパスワードを伝えておきます。
パスワードを空欄にすることは、パスワードを知らなくても、誰でも文書にアクセスできるようになることを意味します。 文書を開くパスワードだけを空欄にした場合は権限の設定が適用されますが、権限パスワードを空欄にすると、 不特定多数に対してあらゆる操作を認めるということになります。
文書を開くパスワードで文書を閲覧するユーザーに与えられる権限です。 これは、文書を暗号化した場合のみ有効です。
以下の権限は128ビット暗号化をした場合のみ有効です。 40ビット暗号化の場合、全て許可されていると見なされます。
上記で説明したCSSJの機能に加え、CSSJサーバーではさらに次の機能が用意されています。 これらの機能については、資料集をご参照ください。
CSSJの出力する文書はPDF 1.4ですが、CSSJサーバーでは古いビューワソフトの互換性のために、 PDF 1.2,1.3の出力が可能です。 古いバージョンのPDFを出力する際は、一部の機能が制限を受けます。
PDF 1.4の添付ファイル機能に対応しており、ワープロソフトで作成した文書や、CADの図面などを添付することができます。 暗号化PDFでは、これらのファイルもまた暗号化されるため、機密性の高いファイルを電子メールでやりとりするのに適しています。