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4.1. Copper PDFによる文書のレイアウト

Copper PDFはHTMLやCSS等、ウェブコンテンツの作成で標準となっている方法を使用するため、 ウェブコンテンツの作成の知識があれば、PDFの作成も同様に出来るのが特徴です。 このドキュメントでは、Copper PDF独自の機能や、注意点について解説します。

4.1.1. Copper PDFで文書をレイアウトするには

ドキュメントをレイアウトする方法は、通常のウェブアプリケーションの作成と大差ありません。 HTMLエディタ等を使ってHTMLや、プログラムで処理するためのテンプレートを作成し、 それをプログラムによりPDFに変換するという手順となります。

Copper PDFによる出力結果を手軽に確認するために、 Copper PDFにはcopper-webappというツールが用意されています。 このツールを起動すると、ローカルマシン上にあるHTMLファイルをウェブベースのツールでPDFに変換することが出来ます。

4.1.2. 入出力プロパティ

Copper PDF独自の機能や、一般的なブラウザの環境設定やオプションに相当する部分を設定するためには、 名前と値の組み合わせである「入出力プロパティ」を設定します。 入出力プロパティの一覧は資料集の入出力プロパティを参照してください。

入出力プロパティはシステム管理者やプログラマにより設定されますが、 管理者やプログラマにより許可されている場合は (input.property-piがtrueに設定されている)、 HTMLやXML文書中でjp.cssj.property処理命令により設定することも出来ます。 処理命令のname属性にプロパティ名、value属性に値を記述してください。 また、必ずドキュメントの先頭から最初の要素の間に記述してください。

<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN">
<?jp.cssj.property name="output.pdf.encryption" value="v2"?>
<?jp.cssj.property name="output.pdf.encryption.user-password" value="user"?>
<?jp.cssj.property name="output.pdf.encryption.owner-password" value="owner"?>
<?jp.cssj.property name="output.pdf.encryption.permissions.print" value="false"?>
<html>
  <head>
    <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=UTF-8">
    <title>暗号化1</title>
    <style type="text/css">
    </style>
  </head>

  <body>
    <h1>暗号化1</h1>
    <p>
      この文書のユーザーパスワードは"user" オーナーパスワードは"owner"です。
      印刷が禁止されています。
    </p>
  </body>
</html>

なお、jp.cssj.property処理命令により設定出来ないプロパティがあります。 詳細は資料集を参照してください。

4.1.3. ページの参照

Copper PDFには、目次をつくる機能(cssj:make-toc要素)と、 ある内容が印刷されるページ番号を表示する機能(-cssj-page-ref関数)があります。

これらの機能を利用するためには、 processing.page-references をtrueに設定し、ページ参照情報を収集する機能を有効にしてください。

CSSJ 1.xのcssj:toc要素、processing.make-toc-beforeは廃止されました。

4.1.4. 2パス以上の変換処理

Copper PDFには、ページ番号による参照を可能にするために、 同じドキュメントを複数回処理する(それぞれの処理を「パス」と呼びます)機能が用意されています。 複数パスが必要になるのは、 ドキュメントの最後以外の場所に目次を入れる場合と、 -cssj-page-ref関数を使用する場合です。

文書中にページ番号を表示する場合、1度目のパスでアンカーや見出し等が表示されるページの番号を求めて、 2度目のパスで実際に参照のためのページ番号を挿入します。 また、目次と本文を通しでページ番号を振る場合や、 非常に大きなドキュメントで、ページ番号の挿入のためにページ数が増加する場合は、 3パス以上必要になることがあります。

パスの数は入出力プロパティ processing.pass-count により設定可能です。


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